山梨、富士山での出来事と選択

山梨といえば、


ぶどう狩りや、梨など


おいしい食べ物や魅力が沢山ありますが


やはりなんと言っても

 

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富士山


ですよね。富士山は私、逸話がございまして…


少し長いですが、お付き合いいただければ


幸いです(笑)

 

中学の夏休みのこと、


山梨に家族旅行にきていた私は


富士登山に行くことになりました。


富士登山されたことがある方は


お分かりになるかと思いますが、


5合目まで車で行き、その後車を駐車場に


停めてから登山するのが一般的です。

 

6合目までは父、母、弟、私の家族4人で


順調に登っていましたが、


体力に自信のない母は、その時腰を悪く


していた事もあり、途中でギブアップ。


私もその時は深く考えませんでしたが、


自然と母と一緒にいる事を選びました。


そして少し名残惜しい気持ちを残しながら


登山を再開した父と弟の背中を見送りました。

 

しかし、少しすると弟だけが戻ってきました。


「やっぱりママと一緒にいる!」と


母にべったりくっついてきました。


当時幼かった弟は、母親に甘えたい盛り。


一緒にいたかったのでしょう。

 

そんな弟を横目に、私は


「やっぱり登りたい!」


と先程とは打って変わり(笑)


なぜか、やる気がふつふつと湧いてきました。


そして、母と弟を残して、先に頂上を


目指した父を追いかけました。

 

こうして、同時に登り始めたのにも関わらず、


『父→私→母、弟』の順に


見事バラバラに行動することになりました。


この頃から、我が道をいく


兆候が出ていたみたいです(笑)

 

母達と別れた後は無心で上を目指していた私。


登山中の事はあまり覚えていませんが、


とにかく夢中にだったことと、


上を目指す楽しさを感じていたことは


覚えています。


また、頂上から帰ってくる人とすれ違う度に


「頑張ってね!」「お疲れ様!」


などと声をかけて下さる方が沢山いて、


なんだか、こんなこと普段ないな♪と


気分が高まっていきました。


なかなか父に追い付かず、そうこうしている


うちに9合目にたどり着きました。

 

頂上まであともう少し!というところで


ターニングポイントがやってきます。


見知らぬ人から


「酸素(ボンベ)は持ってるの?


持っていないなら登るのは辞めなさい。」


と、いかにも登山経験者の格好をした人から


注意をされました。


女子中学生が一人で登っている事を


危惧して下さったのでしょうか。

 

「高山病で死ぬ人もいる」と脅され


(たような気がします笑)


中学生ながら、ここで指摘されたのも


何が意味があるのではないかと感じ、


わたしの当時の決断は


「大人の言うことを聞こう。」でした。

 

当時持っていたガラケーで、父と連絡を取り


頂上から降りてきた父と9合目で合流してから


一緒に下山することにしました。


しかし、ここからがまた大変でした。

 

その頃、明確には覚えていませんが


恐らく夕方近くだったのでしょうか。


頂上からは、楽に降れる1本道があるのが


見えましたが、それ以外は一方通行の為、


来た道を戻る他ありませんでした。


あっという間に暗くなってしまい、


とうとう日が沈んでしまいました。

 

5合目までまだまだ先というのに


頼りになるのは月明かりと、


ガラケーのライトのみ。


足元が岩でゴツゴツしているので、


何度も滑り落ちながら、父親の方が


メンタルやられかけていましたが(笑)


私は、頂上へ向かっていた時同様に


ひたすら目標に向かって


父の足元をライトで照らすことで


一生懸命でした。

 

母と弟はというと、


車の鍵は父親が持っていたため


車に入れず立ち往生。


散々転げ落ちたので、ヘロヘロになり


何とか帰ってきた直後に、


母に散々文句を言われて、さらに


メンタルにきていた父(笑)


父親に、今なら少し同情します。。笑


真夏だったから凍傷など無く良かったものの、


冬場に来ていたら大変なことでした。

 

「登山は舐めたらあかん」


という教訓を得たのと同時に、


頂上からの景色はどんなだったのだろう、と


今になってもやらなかった後悔というのは


残ってしまうのが不思議です。

 

9合目での出来事も、様々な解釈の仕方がある


と今では思います。


その時私は一人でしたが、


もしこれが、別の誰かと一緒だったなら


結果は違っていたんじゃないかって


ふと思ってしまいます。


よく、経営者の渡邊芳樹さんが


「一人で進める距離には限界がある。」


とお話されているのを思い出します。


誰と一緒にいるかどうかで


また、誰の話を聞くかで


人生が変わってしまう瞬間。

 


その時一緒にいたのが渡邊さんなら


「絶対に諦めるな。一緒に頂上まで登るぞ!」


と背中を押してくれたんじゃないかと


何となく想像ができます。


他人に左右されない強い自分であることも


大切ですが、人というのはやはり一緒にいる人


からの影響を多少なりとも受ける生き物である


と私は思います。


その一緒にいる人が、「やめた方が良い。」


という人なのか、「やってみようよ!」


と一緒に歩んでくれる人なのか。

 


自分自身も、誰かにとっての後者でありたいな


と感じます。